あたしのだから!
あたしが黙っていると、

『今、どこ…?』

孝文が聞いてきた。

今いる場所を教えると、

『わかった!
すぐ行くから!』

電話が切れた。

それから数分後、

「菜々美!」

孝文が駆けつけてくれた。

「…大丈夫?」

孝文は、あたしの髪の毛を優しく撫でてくれる。

「…ひどいよな…。
俺なら菜々美を泣かせる事しないのに…」

いつもなら、

『はいはい』

とあしらうところだが、今はそんな余裕ない…。

あたしが泣いていると、孝文は黙ってあたしを抱き寄せた‐。
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