俺様ヤンキーは溺愛王子
学校への登校中、下を見て歩いていると人にぶつかった。
「ごめんなさい！」
私の不注意だったからすぐに謝ったけどその人の顔を見て、絶対許してくれないことを理解し、静かに後退りする。

その人は最近、怖いと有名な同じ学校のヤンキーだった。
なるべく関わらない方がいいと言われている人。

目線は鋭くて、耳にはピアスをつけている。
（これは多分、土下座したとしても許してくれないんだろうな。）
案の定その人は私をジーっと見ている。
（やばい、どうしよう。）
「なんでもします！　許してください！」
気づいたら口が動いていた。

（何を言ってるんだ、私は。）
少し後悔した時にはもう遅くて。
「なんでも、と言ったな。」
その人は冷たく言い放つ。

「じゃあ明日、放課後に体育館裏へ来い。」
その人はそう言って学校へ向かって歩いていく。
（よかった。怒られなくて。）
私はただそのことだけを考えてホッと息をついた。
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