俺様ヤンキーは溺愛王子
「あっ、ありがとう。」
私も少し戸惑ってしまったけど龍基くんの手をとって車から降りた。

その様子を執事さんは優しく微笑んで見ている。
龍基くんは私が降りたのを見るとパッと手を離し、早歩きで門に向かう。
「ほら早く行くぞ。」
「はい。」
そんな龍基くんに置いていかれないよう、私も早歩きでついていった。
二人とも黙って歩く。でも頭の中はさっきの出来事でいっぱいだった。

(びっっくりした〜!さっきの何!?急すぎて頭が追いつかなかった。夢?)
私は龍基くんに気づかれないように、こっそり自分のほおをつねる。
(痛い!やっぱり夢じゃなかった…。)
さっきから私のむねはドキドキしっぱなしだ。
(もしかして…私、龍基くんのこと好きになった!?)

龍基くんと付き合ってから約一週間。初めは無理矢理だったけどだんだん龍基くんに惹かれている私。当然、龍基くんのことは全然わからない。でも、なぜか目が離せないんだ。

「ほら、入れ。」
龍基くんが門を開けてくれる。
「ありがとうございます。」
私たちは大きな門をくぐって歩き、ドアの前まで行く。
< 23 / 80 >

この作品をシェア

pagetop