俺様ヤンキーは溺愛王子

「次は僕。一度会ったから初めましてじゃないね。僕は兄の輝叶《きと》です。22歳だよ。よろしく！で、この子が」
輝叶さんに続けて妹さんが話してくれる。
「こんにちは。りゅうにぃの妹の瑠々《るる》です。5歳です！」
琴羽さん似で目がくりっとした可愛い子。

私も兄弟さんたちに頭を下げて自己紹介をした。
「こんにちは。私は龍基くんと同じ中学校に通っている中学3年生の佐藤　結菜です。よろしくお願いします。」
緊張でちょっと声がふるえたけど言えたと思う。
「よろしくね！」
琴羽さんと輝叶さんが優しく言ってくれて少し緊張がとけた。
「ねぇね、おやつ食べようよ！」
瑠々ちゃんが琴羽さんの服を引っ張って急かす。

「そうだね。結菜ちゃんも一緒に。」
こちらを見てくれるので私は
「ありがとうございます。いただきます。」
と言い、手伝うために席から立ち上がった。

「いいって結菜。座っとけ。」
今まで口を開かなかった龍基くんが私の前に手を出して立ち上がる。
「ありがとうございます。」
私はお言葉に甘えて座り直した。