俺様ヤンキーは溺愛王子
第８章

隣にいたいと思うのは許されないことですか？

「ねぇ、知ってる？龍基くんのこと。」

避けているはずなのに龍基くんと言う言葉にわかりやすく反応してしまう私。
休み時間ろうかから聞こえた女の子の一言に耳をすました。

「知ってるよ。女の人とデートしてたことだよね？」

まさかの噂にドキッとする。

「でも、佐藤さんと付き合ってたんじゃないの？」

「その人だれなんだろうね？」

胸がズキズキして久しぶりに龍基くんのことを考えた。
他の人を好きになってしまったのかもしれないと思ってあまり考えないようにしていたのに
そんなことを聞いたら頭から離れなくなってしまう。

(やっぱり他の人のことを好きになったんだ。これが自然消滅っていうやつなのかな？)

悲しさを通り越してもう何も思わなくなった。

(せめて別れるって言ってほしかったな。)
まだとてつもなく好きなのにもう諦め始めている自分がいる。

「佐藤さん、これ知ってる人？」

さっき話していた子たちが龍基くんのデート写真を私に見せようとしてくる。
でも、見ることなんてできるはずがない。
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