俺様ヤンキーは溺愛王子

温かい言葉

「ただいま〜。」
返事はない。
（そりゃそうだよね）
いつものことだけど一応言うだけ言う。

うちの両親は共働きで夜遅くまで帰ってこない。小学校の頃からずっと。だから寂しいなんて一度も思ったことはない。
ただ、今日だけは寂しいと思った。
それも全部龍基のせいだ。
いや、あいつの怖さを知りながらなんでもするなんて言った私のせいだな。

明日からどうしたらいいんだろう。憂鬱な気持ちになっていると
（誰かに聞いてもらいたい。）
急にそう思い、友達に電話してみることにした。
（誰にかけよう？）
考えた時、真っ先に思い出したのは幼なじみの一ノ瀬　楓真《いちのせ　ふうま》
くんだった。
（出てくれるかな？）
かけてみるとワンコールですぐに出てくれた彼。