俺様ヤンキーは溺愛王子
ふーくんは私と話す時より強い口調で言い返した。
「もう泣かせたりなんかしねーから。お前は諦めろ。」
龍基くんは手を繋いできてふーくんに背を向ける。

「ちょ、ちょっと!」
そのままどんどん歩き出して私はついていくしかない。

「どこ行くんですか?!」
「黙ってついて来い。」
初めて会った時のような口調。
それ以降何も言わず、歩いていく。手は、、繋いだまま。

入ったのは3階の空き教室。
入るなり龍基くんが口を開いた。
「結菜、本当にあいつに何もされてないか?」
心配そうに聞いてくれる龍基くんに勘違いしそうになる。

「うん。ふーくんはそんなことする人じゃないです。」
(好きって言われたけど。)
「嘘つけ。何か言われただろ。」
龍基くんは全部お見通しのようだ。

「好きって告白されただけです。」
別に隠す必要もないから本当のことを話す。

「はぁ、あいつ…。」
龍基くんは大きくため息をついて私を抱きしめる。
(えっっ、、?)
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