俺様ヤンキーは溺愛王子

もう離れていくな

「はっきり断らなかったのは、断ったら結菜がいじめられる
原因になるかもって心配だったから。」

(そんなこと考えてくれてたなんて…。)
私は黙って聞くしかない。

「噂とか怖ぇし、同じクラスだったらいつでも守れるけど違うだろ？」
私の目を見て真剣に話してくれる。

「告白された時、好きって言わなかったのは、お前がいる前でしか言わないって決めてたから。」
「うそっ…。」
「俺が嘘をつくか？」
龍基くんは優しい笑顔で微笑んでくれる。

「結菜がいることに気づいてなかったからだよ。なんで知らんやつの前で好きだ
とか言わないといけないんだ？」
ちょっと顔をしかめる龍基くんに、びっくりして何もできない私。

「あと、なんか噂になってたデート。」
(あれは誰だったんだろう？)

「あれ、お前も知ってる人。」
「えっ？」
「ほら。」

龍基くんは女の子たちが見せてくれた写真を私の目の前に持ってくる。
「琴羽さん！？」
写真に写っていたのは、まさかの龍基くんのお姉さんだった。
琴羽さんはきれいな人だからみんな勘違いしたのだろう。
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