俺様ヤンキーは溺愛王子
「これで全部わかったか?俺が結菜以外を好きになることは絶対ないから。
結菜に避けられてる間、本当に何も考えられなかったんだからな。」
龍基くんは私をもう一度強く抱きしめる。

「だからもう、離れていくな。」
耳もとで聞こえる声はかすれていて私はぎゅっと背中に手を回す。

「私も、嫌われたかと思いました…、。私なんかを好きになってくれたのは夢だったのかな?って、、。」
離れている間に何度も後悔したから決めたし、ふーくんに勇気ももらったから。
言いたいことはしっかり言葉で伝えるんだ。

「私は龍基くんの隣にいたいです…、、。」
そう言うと龍基くんは抱きしめる力を弱めて離れる。
(えっっ…?)
「そんな可愛いこと言うな。本当に我慢できなくなる。」
龍基くんは耳まで真っ赤で何かを耐えているような顔をしていた。

「俺は結菜の隣以外考えられないから。」
私の頭に添えられた手はあたたかくて大きくてとてつもない安心感に包まれる。
そして龍基くんとの距離がどんどん近くなった。
私はそっと目を閉じて少し上を向く。
すると上から龍基くんの声が聞こえた。
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