俺様ヤンキーは溺愛王子
「そんなこと言ってないでつけとけって。風邪ひかれたら嫌だから。」
相変わらずぶっきらぼうだけどその優しさがもっと大好きになる。

私は龍基くんの腕に抱きついて
「これだと龍基くんもあったかい?」
と聞いた。
とたんに龍基くんは慌て出し顔を真っ赤にした。
「あ、あぁそうだな…。」
(照れてる。可愛い!)
マフラーから龍基くんの優しい香りがして私はつい、笑みがこぼれる。
それからたわいもない話をしていると龍基くんのお家の前についた。

「ついたぞ。」
いつ見ても本当に大きなお家。黒い外壁に真っ白な床、まるでお城みたい。

ふとガレージに目を向けると車が一台もなくて私は首を傾げる。
私の頭にはてなマークが浮かんでいることに気づいた龍基くんはさらりと言った。

「今日、姉貴と兄貴出張で瑠々は心配だからって預けたから誰もいない。」
(えっっ!?それって2人きりってことだよね!?)
龍基くんの家には何度か来たけど2人きりは初めてだから緊張しちゃう。
(どうしよう…。一旦落ち着こう。)
< 68 / 80 >

この作品をシェア

pagetop