俺様ヤンキーは溺愛王子
「おじゃまします…。」
龍基くんがドアを開けてくれて恐る恐る中に入る。

今日はお手伝いさんたちもお休みらしく、大きく広い家は少し寂しい感じがした。
手を引かれ、そのまま階段を登り、龍基くんの部屋に行く。

黒を基調に綺麗に片づけられている部屋に見とれていると声をかけられる。
「ほら、こっちだ。」
ベッドに座った龍基くんは自分の横をポンポンたたいていた。

私が素直に龍基くんの隣に座ると龍基くんに突然抱きしめられる。
「龍基くん!?いきなりどうしたの?」
龍基くんの腕にすっぽり埋まっている私。そんな私の頭を優しく撫でてくれる。

「最近はこんな風に2人でゆっくりとかもできなかったから、結菜不足だ。」
拗ねたような声と真っ赤な顔。
普段あまり見れない龍基くんのレアな姿に単純にもドキドキしてしまう。


「私も龍基くんとゆっくり話したかった。だから今日ずっと楽しみにしてた。」
ニコッと微笑んで顔を見上げる。

ついこの前までは受験勉強でお互い忙しく、なかなか会えなかったから受験が終わった今、会うのは久しぶり。
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