キラキラ【完】
その一言にもう放心状態。
なんとか動かすことに成功した、首を一回だけ縦に振ってその質問を肯定した。
コクリーー
絶対、アリーナ最前より近いこの距離にクラクラする。
わかりやすく震え始める身体。
「…そうか。」
明らかに戸惑っているしゅんくん。
どうしてこうなった。
ってことはここは、しゅんくんの家ってこと?
鳴り止まない鼓動。
熱はだんだん上がって、背中や耳がじんじんするほど。
コンサートなんて比にならないくらいの緊張状態に陥る。
感覚という感覚が、全てしゅんくんに持っていかれる。
「わ、私!!かかか帰ります!!!お邪魔しました!」
急いでベットから降りて、隣にあった自分のカバンを取り、駆け足でしゅんくんの横を通り過ぎる。
オーラが凄すぎて、見れない!
風邪のせいなのか、極度の緊張のせいなのか身体が鉛のように重たかった。
やばいやばいやばい。
ガチャッーー
廊下に出るとすぐ玄関があり、自分のローファーを履き家を出た。
いくら毎日妄想してても、こんなこと現実に起きるなんて思ってなかった。
あんな夢のようなシチュエーションになったのに、逃げるように出てきてしまった。
それからはスマホの位置情報を頼りに自分で家に帰った。
はすみんと星護から数件メッセージが来てたけど、家に帰ってから返そう。