キラキラ【完】
「莉子、知り合いか?」
どこか嫌悪感を抱いているかのような表情。
なんだか黒いオーラが漏れている。
「あ、すみません。幼なじみなんです。」
「ほほほ、ほ、本物…まじだ、生だ、」
問題の犯人は、本物であるシリウスを前に信じられないといった様子だった。
…なんか腰抜かしてるし。
まあそうだよね。国民的スーパーアイドルだもん。
「りこぽんにこんなイケメンな幼なじみいたんだねぇー」
シーンと静まり返っているスタジオに大きなけんけんの声が響く。
「まあここまで来たんだし、せっかくだし見学していけばいいじゃんね?」
一人でぽんぽんと話を進めていく、けんけん。
「あ、ざす」
あざすじゃないよ!!
森本さんもこんなの許していいのと見るけど、全くこっちを見ていない。
安定の緩さ!
「白木さん、お着替えとメイクお願いします。」
そうこうしているうちに、私が呼ばれてしまった。
ああ、もう心配だ。
「あ、はい。星護、余計なことしないでね!迷惑かけないでね。」
それだけ釘を刺して星護から離れ、メイク室に向かう。
人のこと心配してるほど、私だって余裕じゃないのにとため息をつく。