キラキラ【完】
君が笑えるように
12月12日(月曜日)
2度目の雑誌撮影が終わり、それももう発売されて数日経った頃。
森本さんではない、知らない電話番号から電話があった。
『遠藤です。本日お時間いただけますか。話したいことがあります。』
電話をかけてきたのは、ツアーの構成を考えた日以来会っていない遠藤さんだった。
きっと森本さんから連絡先を聞いたのだろう。
指定されたのは、駅前の小さな喫茶店だった。
学校が終わり、急いで向かうと遠藤さんはもうすでに着いていた。
「あの、すみません、お待たせしました。」
「いえ、お久しぶりです。」
真顔のまま、軽く会釈する遠藤さん。
久しぶりにあったけど、やっぱり強面。
「あの、お話って、」
すごく重たい雰囲気。
「清恵が最近、やけにあなたに入り込んでいるように見えます。」
睨むように、そういう遠藤さん。
「そ、そんな、ことはないと思います。」
しゅんくんがこんな地味な女子高生に、入り込むわけがない。