キラキラ【完】
「いえ、受け取ってください」
「あの、お金なんてなくても、誰にもいいませんから。もちろん、もう会うのも辞めます。」
当然の報いだと思った。
そもそも同じ世界にいる人たちじゃない。
この半年間が夢だったんだ。
そもそも私は彼たちのオタクだったわけで。
抗う理由もない。
「ありがとうございます。」
ほっとしたような遠藤さんの表情。
遠藤さんは本当にシリウスが大切で、今まで積み上げてきた物の大きさを維持しようと頑張っているんだろう。
私だってもちろんそれを応援したい。
「連絡先も全て削除するようにします。今までご迷惑かけてすみませんでした。」
もう連絡は取らない、もう会わない。
「こちらこそ、ご理解いただき感謝いたします。」
遠藤さんと別れた後、私はすぐにしゅんくんに『12/24ご飯行けなくなってしまいました。あと、もう会えません。』とだけメッセージを送った。
あとはもう連絡が取れないように、しゅんくんとけんけんの連絡先をブロックした。
何故か妙に冷静だった。
いつかこんな日が来るとは思っていた。
でもしゅんくんが今まで通り、シリウスとしてステージで笑顔で輝き続けられるなら、何も辛いことじゃなかった。
…辛くなんてなかった。