キラキラ【完】
文化祭って本当にわくわくするよね。
中庭の前を通りかかると、ステージが立てられていて、ダンス部によるコピーダンスが披露されていた。
たくさんの人がステージ前に集まっている。
「あ、」
その曲はシリウスのもで、シリウスのダンスがコピーされていた。
音源はそのままシリウス本人の声が中庭に響き渡る。
無意識に止まってしまう足、
ぎゅっと締め付けられる胸、
自然と溢れてきてしまう涙、
「莉子、」
星護の痛く辛そうな声が脳に届く。
「や、やだなぁ。なんで泣いちゃうんだろ。へへ。」
忘れたはずなのに。
当たり前かのように流れてくる涙に戸惑う。
ここ数ヶ月はシリウスの曲聞かないようにしてたのにな。部屋にあったポスターも全部剥がして、精一杯忘れようとした。