キラキラ【完】
「こっち来て、」
止まらない涙を抑えながら、星護に腕を掴まれて人気のない場所に連れられる。
「ここなら人いないから。」
「う、ん。ごめんね。」
ガヤガヤとした賑わいと、シリウスの曲が遠くの方で聞こえる。
「俺なら泣かせたりしないのに。」
吹き抜けていった春の風は星護の言葉をかき消した。
「え、?」
「俺なら莉子を泣かせたりしない。俺と付き合ってほしい。」
2度目の告白。
星護の真剣な目に、言葉が出なくなる。
向き合う二人、繋がれたままの手。
「…ご、ごめん、やっぱり、」
私はしゅんくんを忘れることはできないみたい。
「あいつを忘れるために利用してくれてもいいから。」
苦しそうな、辛そうな、そんな表情。
私、星護に辛い思いしかさせてない。