キラキラ【完】
「利用なんて出来ない。」
「なんで、」
縋るようなその瞳に、申し訳ない気持ちが溢れて来る。
「利用なんて星護が辛いだけじゃん、いくら私が馬鹿でもそれくらいわかるよ。」
自分じゃない誰かを好きな、好きな人のそばにいたって辛い思いをするだけ。
星護が一人で苦しくなる必要なんてない。
生殺しにするくらいなら、きちんと向き合って振られたほうがいいに決まってる。
「…そっか、」
「だから星護とは付き合えない。」
目を見てしっかりと伝える。
星護の目の奥が揺れるのがわかった。
「わかった。…はぁー、俺だせえー。」
今にも泣き出しそうな星護は、空を仰ぎながら微笑んでいた。
きっと涙がこぼれないように、誤魔化していたんだと思う。
こんなときに、そんなことさえわかってしまうほど、長い間一緒にいる私たち。
苦しめてしまってごめんね。