キラキラ【完】
しまった、と思った。
俺たちのファンの子だった。
ずっと遠藤さんにはキツく言われていたのに、目の前でふらふらと歩いてる彼女を見捨てることはできなかった。
あとから考えると、救急車を呼ぶとか他に手段があったはずなのに。
悔やんでも遅い。
動揺を隠せずにいると、彼女は俺よりもさらに動揺していて、走って家を出て行った。
あんなにふらふらだったのに帰れたのだろうかと心配になった。
パーカーを着たまま出て行ってしまったことに気づいたのは、少し経ってからだった。
次の日、遠藤さんに報告すると酷く叱られた。
当たり前のこと。
アイドルがファンの子を家にあげるなんて有り得ない、ネットに何か書かれる可能性だってあるし、何よりも家の場所がバレてしまったということ。
速攻で引越しをしないといけないかもしれない。