キラキラ【完】
佐伯さんから再度莉子にオファーがあったと聞いた。
決まっていた次月号の撮影やコンセプトを無しにして、今回も莉子と俺のツーショットで行くらしい。
また莉子に会えると思うと、心が弾んだ。
撮影の時間帯は莉子が学校から向かって間に合う午後5時に設定された。
制服姿の莉子は、初めて会った日以来。
話しているとガタンと大きな音がした。
莉子の幼馴染だった。『星護』と呼ばれている彼は、莉子ととても親しそうだった。
また湧き出てくる黒い感情に、二人から目を背けた。見たくないと思った。
メイクが終わり出てきた莉子は相変わらず綺麗だった。
今日はさらに大人っぽく、艶っぽい。
瞬きをするのも惜しいくらい。
少し慣れたのか、前回ほどは恥ずかしがっていない。
スタジオの隅で、見惚れている幼馴染くんを横目に、撮影がスタートする。
見せつけるかのように、莉子の肩に腕を回す。
あからさまに辛そうな顔をする幼馴染くんを見て勝った、と思った俺は性格が悪い。