キラキラ【完】
「あの幼なじみくんとは仲はいいのか?」無意識に出ていたこの質問。何もないことを祈った。
しかし莉子の目の奥が揺れるのを見逃さなかった。
ああ、幼馴染くんと何かあるんだな。そう確信した。
次々としていく質問に、しどろもどろになる莉子。
正体のわからない黒い物に、感情のコントロール出来なくなる。
こんなの自分らしくない。
どれだけ今、莉子が俺のことを見つめていても、これは撮影だから。
莉子と幼馴染くんが話しているあの姿が脳裏に焼き付いて離れない。
俺だけを見てほしい。
その願望がおさえられなくなって、気が付いたらご飯に誘っていた。
驚いた表情をする莉子ですら、可愛くてしょうがない。
嬉しそうに照れながら了承してくれた莉子に思わず笑みが溢れた。