キラキラ【完】
どうしてそんなに、私を追いかけてきてくれるの。
二人っきりの廊下。
「莉子、ずっと会いたかった。」
「っ、」
表情が読めない彼の言葉。
会いたかったなんて、心が溶けていくのがわかった。
ずっと聞きたかった優しい声。
「…俺、莉子のことが好きだ。」
顔は見てなくても、わかる真剣な声色。
走ってきたのか、少し乱れている息づかい。
きゅんと胸が鳴る。
信じられない。
しゅんくんが私のこと?
パニックになる頭。
「…え、」
静かで暗い廊下、涼しい風が通り抜ける。
「遠藤さんから全部聞いた。
クリスマス会えなかったのも、突然連絡が取れなくなったのも、もう会わないって言ったのも、全部俺たちの為だったんだな。」
…遠藤さんから聞いたんだ。
話しながら少しずつ近づいてくるしゅんくんに鼓動が早くなっていく。
遠くの方で文化祭の賑やかな音が聞こえる。