キラキラ【完】
「ついたよ、ここ!」
『ミーティング室A』と書かれた部屋。
「あまり気を張らなくていいからね?」
にこりと微笑むけんけん。
推しではないけど、その笑顔にきゅんとする。
ガチャーーー
「お疲れ様でーす。」
気怠そうに入って行く背中を追いかけて、けんけんの背中に隠れるようについていく。
広がったのは教室ほどの大きさで、テーブルや、プロジェクター、ホワイトボードなど、会議室らしい部屋だった。
「お疲れさ、…健一、その子は誰だ。」
入口のすぐそばにいたスーツを着たオールバックの少し強面な40代くらいの男性が、私のことを尋常じゃないくらい睨む。
見られすぎて穴が開きそう。
「遠藤さん。おつかれっす。この子は白木莉子ちゃんで、シリウスの大ファンなんです!
今回のツアー構成、ファンの子の意見取り入れたくて、提案してもらうと思って連れて来ちゃいました!!」
遠藤さんって、あの時しゅんくんが怒られたって言ってた遠藤さん!?
「『連れて来ちゃいました!』じゃなくて。シリウスにとって今が一番大切な時期なのに、こんな高校生と一緒に歩いてるところとか見られたらどうするんだ。
健一はもっと考えて行動してくれ。」
大きなため息をつく遠藤さん。
私のことを見る目がさらに嫌悪感を纏った視線になる。