キラキラ【完】


「あ、あ、の」




「偶然会って、りこぽん俺たちのファンだからコンサートの構成手伝ってもらいたくて連れてきたんだ。」




「…また健一の思いつきか。」




呆れたように笑うしゅくんに全ての心が持っていかれる。



腹の底から熱くなって、胸が高鳴る。




「りこぽんはここね」


ぽんぽんとパイプ椅子を叩かれる。



ここって意味。




それはしゅんくんの隣の席。




けんけんには目で無理だって訴えたけど、それは届かぬ思い。



堪忍して、大人しくその先に座ることにした。




こんな近く…




時々深呼吸をしないと脈が乱れるほどに、心臓が暴れ出す。



この音が本人に聞こえてしまわないか不安だ。




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