キラキラ【完】
ステージで見てるシリウスも、あの時遭遇したシリウスも、全て本人なんだよね。
アリーナ一列目、ファンからしたらとても近い距離なはずなのに、どうも遠く感じてしまう私はもう普通ではない。
でも彼たちが与えてくれる、感動はそのままで、気がついたら涙が溢れていた。
セトリだって、私の言ったことが忠実に再現されていた。
提案したことは全て熟されていて、けんけんとは何度も目が合った。
ーーー♪DIDIDIDIDIDI 来るよ Over Time夜の街をすり抜け 君の鼓動を探り当てる
ステージ上で聞く"ダーク"は最高だった。
提案した椅子のダンスも。
自分の言ったことが、現実になっていることに感極まる。
メンステで踊る、しゅんくん。
ふと目が合う。
見つかったと思った。
彼の罠にハマったかのように、瞳が捉えられて逸らせなくなる。
その刹那、ニヤリと微笑む彼。
椅子の背を持ったまま、見下すように微笑むその色気に倒れそうになる。
『ありがとう』
口パクで伝えて来る彼に、頭が真っ白になる。