キラキラ【完】
「ど、ど、どして、」
「車から莉子が絡まれてるのが見えて、止めてもらった。」
安心して泣いてしまいそうになるのをグッと堪える。
安定に高鳴る鼓動はもう慣れたもの。
「あ、ありがとうござ、すみません。」
「家まで車で送る。」
突拍子もない発言に目を見開く。
本人はいたって普通。
あっけらかんとしている。
「いや、それはっ」
「さっき絡まれたばっかりだから危ないだろ。」
たしかにそれはそうだけど。
有無を言わさない視線。
…まあでも、家まで車で5分もかからない距離。
いやでも、5分もしゅんくんと車にいるなんて、耐えられる!?
その視線に言われるがまま、しゅんくんについていく。
ていうか私しゅんくんに迷惑しかかけたことないよね?
ほんと自分が嫌になる。
車に案内されて乗り込むと、運転席にはスーツ姿の男性が座っていた。
「森本さん、俺らのマネージャー。遠藤さんほど厳しくないから安心して。」
「どうも。いつもお世話になってます。」
遠藤さんよりも若く20代くらいに見える森本さん。
どこかやる気のない目。
シリウスは何人マネージャーさんがいるのだろうか。