キラキラ【完】
そして家の前まで送っていただいてしまった。
…家の前にしゅんくんがいるなんて。
夢みたいだ。
これが昼間だったら大騒ぎになってしまうのは間違いない。
夜中なので人は一人も歩いていない。
「あの、本当にありがとうございました。」
車を降りて、ぺこりと頭をさげてあいさつする。
家の鍵を取るため自分のカバンに手を入れる。
今日お父さんは出張で、お母さんは友達と旅行に行っているので、家には誰もいない。
そしてここで衝撃の事実が発覚する。
「家の鍵忘れた…」
ポツリと呟く。何してるんだ私は。
これじゃ家に入ることは不可能。
ペンライトとかうちわとか、そっちを気にしすぎて鍵を忘れてしまってた。
「親御さんは?」
…しゅんくんにも聞こえてしまっていたみたい。
「今日は出張と旅行で家にいないんです…あ、でも、どこかそこらへんのホテル泊まるのでっ!」
本当に恥ずかしい。ダサすぎる。
穴があったら入りたいとはこのこと。