キラキラ【完】
…結局ついてきてしまった。
森本さんには『遠藤さんにバレないようにしてくださいね。めんどいんで。』とだけ釘を刺された。
…ちょっと緩すぎない?
よく考えたら、推しと家で二人きり。
そうでなくても、付き合ってない男女が一つ屋根の下でしょ。
こんなありえない環境下で私はゆっくり寝るなんてできるのだろうか。
いや、確実に不可能。
「お、お邪魔します」
時刻は既に夜中の1時ごろ。
しゅんくんの家に来るのは倒れた時以来。
あの時は、寝室での記憶しかなかったので、リビングにお邪魔するのは初めてだった。
すごく綺麗に整理整頓されている部屋。
でも意外だったのは、普通のマンションだってこと。
芸能人だしこんなに売れっ子なわけだから、タワーマンションに住んでいてもおかしくないのに、2DKほどの部屋だった。
都内だし、それでも充分広いけど。
「ん、」
「あ、ありがとうございます。」
声が引き攣る。
車の中で携帯の充電がないことを伝えたため、充電器を渡してくれる。