キラキラ【完】
私としゅんくんの声しかしない部屋。
やっぱりこんな状況、ダメだ。
オタクの一人である私がこんなところいるなんて、相応しくない。
こんな展開望んでる人が世界に何万人もいるのに。
「寝室があるからベットで寝てくれ。」
「…コンサートで疲れてるのに、だめです!私リビングで寝ます!これ以上迷惑はかけられないです!」
「いいんだ。そんなに疲れてない。明日は休みだし。」
そんなの絶対嘘に決まってる。
あんなに動いて、歌って、何万人もの人に生きる希望を与えた後なのに。
ーーーーゴロゴロ…ピシャンッ
その音と同時に、部屋が真っ白に光る。
「きゃっ、」
思わず両耳を塞いで、しゃがみ込む。
鳴り止まない雷。
「…雷怖いのか。」
「っ、雷だけ昔からダメで…」
他に怖いものは何もないのに。
泣いちゃダメって分かっていても、目に涙が溜まって溢れそうになる。
「俺がいると少しは怖くないか?」
少し困ったような、いつもより優しい声。
「…は、い」
「じゃあ雷が落ち着くまで、莉子の隣にいる。」
それだけ言って、私の隣にちょこんと座る。
フワッと香る匂いに、少し安心すると同時に、ドキドキする。