キラキラ【完】
これはきっと幻じゃない
5月16日(月曜日)
「来週からテストだからお前ら勉強しろよー。」
大嫌いな数学が終わったときに、先生が放った言葉。
先週文化祭終わったばっかりなのに、切り替え早いよ。
あー、もう来週テストかぁ、嫌だなぁ。
「莉子、大丈夫?」
先生が教室から出て行った瞬間、はすみんが心配そうに駆け寄ってくる。
「へ?なにが?」
「なんか凄くしんどそうだよ。顔だって赤いし。気づいてないの?」
「…全然気づかなかった。そういえば今朝から食欲ないかも。」
『ちょっと触らせて、』とはすみんの手が私のおでこを触る。
「熱っ!絶対熱あるよ。今日は帰りなさい。」
はすみんの手冷たくて気持ちいいな。
そんなこと考えていると、ボケっとして動かない私を見かねて、私の代わりに荷物をまとめて、先生にまで伝えてくれたはすみん。
…持つべきものは、しっかり者の親友だよね。