キラキラ【完】
ーーードカン
「うぅ、ぐすっ、」
強くなる雨音。
また雷が落ちるんじゃないかとかまえる。
さっきまで雨なんて降ってなかったのに、どうしていきなり。
すると突然、震えながら耳を塞いでいた左手が何かに包まれる感覚がした。
「え、」
大きく目を開けて、自分の左手を見る。
繋がれている手と手は、私としゅんくんの手。
時が止まった気がした。
全てがスローモーションに見える。
「…大丈夫だ。」
「手、」
どくんどくんと五月蝿くなり続ける鼓動。
「…安心させる方法が分からなかった。すまん、今離す。」
申し訳なさそうに、少し照れくさそうな口調。
ふいっと逸らされる目。
離れていく手。
「あのっ、…手、握って、て欲しい、です」
恥ずかしさと、不安で目が潤む。
「っ、…分かった。」
再び繋がれる手。
どうしようもない気持ちになる。
苦しい。
ああ、ダメ。