キラキラ【完】
一気に神経は、左半身に集中する。
ごつごつとした手に、男らしい筋張った腕が視界に入る。
いつも雑誌やテレビで見てた、手が私の手を握っている。
自分からお願いしたものの、パニックになる脳内はもうキャパオーバー。
脳が限界だと悲鳴をあげている。
どれくらい手を握っていたのかわからない。
ただ無言のまま時間が過ぎた。
気がつけば、雷はだいぶ治まっていて、雨も止んでいるようだった。
問題はこの手をいつ離すのか。
ブブブーーーー
充電していたスマホから、バイブレーションが聞こえる。
「電話鳴ってるぞ。出ないのか。」
そういって離されてしまった手。
…なぜかすごく寂しいか感じた。
「…じゃあ、すみません。」
慌てて、ディスプレイも確認せず電話に出る。