キラキラ【完】



結局午後から早退することになり、今は一人で帰り道を歩いている。


はすみんも星護も心配だから送ってくれようとしてたけど、申し訳ないし、二人とも部活があるし、断った。



こんなとき推しが目の前に現れたらな。こんな妄想何回したことか。



遭遇とかしてみたいよね。


そしたらなんて声かけよう?


夢の中では一回遭遇したことあるんだけどな。


そんなこと考えながら、とぼとぼと歩く。




…だんだん熱が上がってきてる気がする。



でも病は気からだもんね!


今日は、シリウスが出るテレビもあるし、リアタイで見たい。


だから寝込むわけにはいかない!!


「ふぅ〜…」


信号待ち。立つのも辛くなってきた。


ふらふらする。






「っ、」





力が入らなくなって、視界が揺れる。


グラッーー




「、っぶね」


揺らいだ視界。意識が切れかかった時、誰かの温もりを感じた。支えてもらってる。



「…あ、ごめ、んなさいっ」


なんとか体を起こし、お礼を言う。


フワッと香るホワイトムスクの香り。
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