キラキラ【完】
「莉子のそういうところ、すごく素敵だと思う。」
「っ、」
きっと無意識なんだろうけど、かけられるストレートな言葉は、私のことを翻弄するには十分すぎる。
「それより莉子はどうしてシリウスのファンになってくれたんだ?」
美味しそうなだし巻き卵を口に頬張りながら、話すしゅんくん。
「…私おじいちゃんっ子だったんですけど、5年前におじいちゃんが亡くなって。笑えなくなってたんです。でもある日シリウスのデビュー曲初披露をテレビで見て、気がついたら笑顔になってました。それからです。」
シリウスのデビュー曲は、『頑張る人』に向けたエールソングだった。
そのシリウスのかっこよさに心奪われた、あの衝撃は今でも忘れない。
目が離せなくて、見ていて自然と笑顔になっていた。
それが私がシリウスを好きになったきっかけ。
あの笑えない暗闇から救ってくれたんだ。