キラキラ【完】
「それは心配です。」
家で倒れていたりしたらどうしようとか、何も食べずに倒れていたりしたらどうしようとか、高熱すぎて倒れていたらどうしようとか。
『あいつ実家も遠いし、誰も見に来てくれる人いねーんだよ。だから、りこぽんに見てきてもらえたらなって思ったんだけど。』
ゆらゆらと揺れる心。
純粋に心配でたまらなくなった。
「…私行きます。」
考える前に言葉が先に出てしまった。
普段ならこんなこと絶対しない。
『え、予定はいいの?』
「はい、たぶん。」
『じゃあ、瞬の家の住所送るね?』
「はい。」
行かないで何かあって後悔するより、何もないほうがいい。
でも先約を断るなんて私本当に最低だ。
ごめんね、星護。
電話を切って、すぐ星護にメールをいれる。
『ごめんね。急用で行けなくなった。』
『わかった。』
それだけで、特に理由も聞かないのは星護の優しさだと思う。
…夏祭りの日、話したいことの続きを聞くはずだったのにごめんね。