キラキラ【完】
「よし、できた。」
ちょっとスプーンに掬って味見をしてみる。
うん、美味しい。
どんな味付けにしようか迷ったけど、やっぱり安定の卵粥にした。
料理は小さい頃から割と好きで、できる方ではある。
お盆に一人用の土鍋とレンゲを乗せて、慎重にしゅんくんの寝ている寝室まで運ぶ。
コンコンーーーガチャッ
「…あの、お粥できました。」
ベットの隣にあるサイドテーブルにお盆を置く。
「…おう、ありがと。」
だるそうに体を起こすしゅんくん。
「味の保証はできませんけど、どうぞ。」
普通に、推しに手料理振る舞うってすごく緊張する。
でも何か食べないとだめだし。
口に合わなかったらどうしよう。
ゆっくりとお粥をふーふーと湯気を飛ばしながら、口に運ぶしゅんくん。
「んっ、うまい!」
今までにないくらい、目を大きくあけて、おいしいと喜んでくれたしゅんくんを見て思わず笑みがこぼれる。
こんなに大きな声初めて聞いたかもしれない。