キラキラ【完】
寝顔があまりにも美しくて、すぐにその場を離れることができず、ずっと見つめてしまっていた。
…盗撮したいくらい。
するとゆっくりと開かれた瞳。
「ん、莉子?…もう、帰るのか、」
重たそうに体を起こすしゅんくん。
「あ、ごめんなさい。起こしちゃいました?」
さっきよりも意識が朦朧としていて、目がとろんとしているしゅんくん。
…大丈夫かな?寝ぼけてる?
熱はちょっと下がったって言ってたのに。
食後の薬を飲んだこともあって眠気もあるんだろうけど。
「…寂しいから、帰るな。」
彼からこぼれた言葉に耳を疑う。
ただをこねる子供のような、甘える表情。
「え?、」
そんな私の戸惑いなんて他所に、だんだん近づいてくるしゅんくんの顔。
え、どういうこと?
ねえ、何で、近づいてくるの。
避けようなんて、考えてる暇なかった。
突然唇に触れた唇。
それは紛れもなく、私と彼の唇。