キラキラ【完】
視界いっぱいに広がるしゅんくんの顔。
言うまでもなく速くなる鼓動。
何が起こっているのかわからなくて、フリーズしていた。
どうしてこうなったのかもわからない。
分かるのは、ふわり漂うホワイトムスクの香りと唇の感触。
「ん、」
なんとか彼を押し、離した唇と唇。
そのままベットへと倒れ込むしゅんくん。
…寝てる。
なんとスヤスヤと寝息を立てながら、寝ていた。
もう何がどうなっているのかわからない。
今のはなんだったの?
何事もなかったかのように、眠り続けている彼を横目に、走って寝室を抜け、玄関を出た。
あの日私が倒れた日のように、ただただ何が起こったのかわからなくて、がむしゃらに走って家に帰った。
どれだけ走っても、キスの瞬間の鼓動の速さには敵わなかった。