キラキラ【完】
家に帰ってからしばらくは、思考が停止したままで何もできなかった。
帰ってきたのはたしか夕方四時ごろ。もう星護の試合は終わってる時間だった。
気づいた頃にはもう時計が7時に差し掛かっていた。
『今日行けなくて本当にごめんね』
星護に改めて、謝罪のメッセージを入れる。
『今から外出てこれねえ?』
すぐ既読がつき、きた返信。
『わかった。外出るね。』
星護と私の家は、五軒ほど離れた距離にある。
その間も考えてしまうのは、さっきのこと。
秋口の夜は少し寒くて、薄い羽織を一枚羽織って外に出た。
「おう。」
返事してすぐに出たのに、家の前にはもうすでに星護がいた。
どんだけ早いのと驚く。
「お疲れ様。勝てた?」
「当たり前。俺2点も入れたんだぜ!」
ニコリといつもどおり笑う星護。
さすがサッカー部のエースだね。
「凄いじゃん!」
「みんな俺に惚れてたわ!」
いつも通りのおちゃらけた発言に、自然に笑顔になる。