キラキラ【完】


「まあまあつべこべ言わず、決まったら準備しないとー!」



そう言って、私の背中を押して、メイク室らしきところへ案内しようとするけんけん。



「あ、ちょっと、まだ了承してないんですけど。」



だいたいカリスマカメラマンの佐伯さん相手に、私がモデルなんてできるの?


待って待って、ほんとに話が早すぎてついていけない!


抱き合うって何!?


「りこぽんに拒否権はなしっ!」


ピシャリとそう言われてしまう。




裕太くんに助けを求める視線を送ったが、哀れそうな目を向けられて何もしてくれなかった。



けんけんの思いつきは止められないもんね。



あれよあれよと言う間に、メイク室に案内されて、髪もメイクも、服まで変えられてしまい、今まで見たことのないくらい綺麗にしてもらった自分が鏡に映った。



極め付けはこの真っ赤なドレス。



背中だってがっつりあいていて、なんともセクシーなんだけど、私には大人っぽすぎて似合ってないと思う。



何よりこんな姿で、みんなの前に出るのは恥ずかしすぎる。




「あの、これやっぱり、」




意を決して、抵抗しようとスタジオに出る。




「すごく良いよ!早速撮ろう!」



と、さっそくカメラを構え始める佐伯さん。

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