キラキラ【完】
「莉子。」
どこか驚いているような、そんな表情。
ライトが当てられ小物が置かれている背景布の前に立っているしゅんくん。
しゅんくんとはメイクが入れ違いになっていたみたいで、今日初めて会った。
黒色のタキシード姿に、花束を持っている。いつもよりも髪型もハードにセットされている。
いつも以上にセクシーなオーラのしゅんくん。
その姿を見た瞬間、あの日のキスがフラッシュバックして、何も言葉が出なくなる。
「あ、あ、の、…こんにちは。」
明らかに挙動不審、最初の頃のように目も合わせられないし、顔だって真っ赤になってると思う。
ドキドキとうるさくなる鼓動。
こんな真っ赤なドレスを着て、いつもとはまるで違う自分を見られる恥ずかしさ。
もう何が何だか。
「はい、撮ってくよー」