キラキラ【完】
抱き合った状態で数分、撮影が行われた。
もう瀕死状態。
その間も鼓動はすごい速度で鳴り続けた。
推しとこんなにながい間、抱き合って普通でいられるオタクがいるわけない。
「よし、じゃあレンズと背景変えて、全身撮ろう。」
「はい。」
もうどきどきしすぎて倒れそうになる私。
息をするのがやっと。
一方しゅんくんは慣れた様子で、佐伯さんの指示に応えていた。
「莉子ちゃん緊張してるね。難しいだろうけどリラックスしてー」
レンズを替えながら、そういう佐伯さん。
「…す、すみません」
そんなこと言われたって、緊張するものは緊張する。
そもそも撮られることにも慣れていない私。
まあ厳密にいうと、私は撮られていないんだけど。
「よし、瞬と世間話でもしてみて!引きで撮ってるから、こっちには何も聞こえないから。リラックスできる話してみて!」