真冬の花
「そんなのいいって!」
ちょっと照れてる…?
かわいい。
「羽菜さん、遅いから送ってくよ」
「そんな、いいよ。あたしは大丈夫だから」
冬真くんが遠回りになっちゃう。
「駄目。女の子なんだから。はい、帰るよー」
「…えっ、ちょっと待ってっ」
半ば強引に送ってもらう事に。
「わ、さむ…」
外は風が強くて。
「もう冬が来たみたいだ」
息が白い。
歩きながら、冬真くんは色々話をしてくれて。
いつも一人の帰り道は、今日は楽しかった。
体は寒いのに、なんだか心は暖かった。