真冬の花
あっという間に家の前。
「なんだ、俺ん家と割と近いじゃん」
えっ、そうかな?
「やっぱ一人じゃなかったからかな」
「うん。そうかも。楽しかったよ。本当に今日はありがとう」
本当に。
「…今日、予定あったんじゃないの?ごめんね…」
高校生だもん。
バイトが休みの日くらい友達と遊びたかっただろう…
「あはは。大丈夫。羽菜さん謝りすぎ」
笑われてしまった。
だって…
「羽菜さんが大変なときに来ないわけないじゃん。もっと頼ってよ」
「……え?」
どういう…?
「あ、引き止めてごめん。俺、帰るね。またバイトで!」
「え…ああ、うん。こっちこそ」
冬真くんは、走って帰っていった。
……冬真くん?