真冬の花
『好きだからなんじゃん?』
あの時のヒトミの言葉が、グルグルとあたしの頭の中をまわってる。
「…羽菜さん?」
黙っているあたしに、冬真くんはちょっと沈んだ顔で…
「気分、悪くした…?」
「えっ!?そんな事ないよ?」
「本当に?」
「うん!じゃあ、行こう?」
あたしは足早に冬真くんの前を歩く。
「ちょ…羽菜さんっ!!!」
いきなり、後ろへ引っ張られた。
あたしの前を、すごい勢いで走り去る車。
「あっぶねぇ…危機一髪」
……びっくりした
おもいっきり力が抜けた。