真冬の花
「大丈夫!?羽菜さん」
冬真くんが支えてくれてるおかげで立ってられた。
「…うん。ありがとう…。あたし馬鹿だね」
もう少しで引かれそうだった。
「羽菜さんはおっちょこちょいだから…、ハイ、こっち」
あたしを車道とは反対側へ。
あ…そういえば。
冬真くんと帰る時は、いつもあたしはこっち側だった。
「…ハイ、手。危ないから」
あたしに差し出された手。
心なしか、ちょっと赤い冬真くん。
あたしは素直にその手をとった。