真冬の花


もうちょっと、一緒に歩きたかったな…


そんな事を思っても無理な話。


しかも、わざわざ送ってもらってる分際で


図々しいよ、あたし。



「ありがとう。冬真くん」


「…ん」


離れるかと思っていた手が、ぎゅっと握られた。


え………?


「羽菜さん。好きなヤツとかいる…?」


不安げな、でも真剣な顔。


あたしは声が出なくて。




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