真冬の花
「俺はまだ18で、羽菜さんより下だけど……
年下だとか、高校生だとか関係なく」
――冬真くん?
「俺の事、一人の男として見て…?」
そう言うと、
もう一度、繋いでいた手をぎゅっと握って、
冬真くんは走って帰って行った。
あたしは、しばらくその場を動けなくて。
ずっと冬真くんの走り去った道を見てた。
寒い…
何かが空から舞い降りてきた。
羽…?
違う。
雪だ……
さっきまで寒さなんて感じなかったのに。
離れた手を淋しく思った。