真冬の花
「すんませーん!!大丈夫でしたっ!?」
遠くから声がした。
振り返ると、走ってくる男の子。
「あ、大丈夫だよ」
そう言って、サッカーボールを拾う。
「部活、ご苦労さま」
そう言って、走って来た男の子に渡す。
―――???
どうしたんだろ?
男の子は固まったまま。
「…?ハイ、どーぞ?」
もう一回、渡そうと差し出す。
「…ああ!すんません!!ありがとうございましたっ」
ボールを持って頭を下げる。