イノセント*ハレーション
写真を取り終え、そろそろ絆奈達と合流しようと2人は立ち上がった。

あたしは教室に忘れ物をしたと言って急いで戻った。

2人を待たせるからというのは後付けで、もっと大切な理由がある。

あれはあたしの高校3年間そのものなんだ。

あたしの軌跡のようなもので、他の人には見られたくないことも多々書いてあるんだ。

それを拾われて読まれてしまってはこの世の終わり...は言い過ぎだけど、そのくらいの衝撃だということ。

あたしは中学時代にバスケ部の練習で発揮していたくらい、本気のダッシュで階段を駆け上がった。

廊下を走るななんて貼り紙はあってないようなもの。

あたしは完全に無視して走った。

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